大学の研究室で生活を初めてもう1年以上がたちました。
自分は大学を修士号をとって就職してしまったので、
普通の博士号を持っている人よりも3年分、アカデミックでの生活が短かったことになります。
その博士課程(正確には博士後期課程)の時間をどう過ごすかは人によりけりですが、
個人的にはその3年間がなかった分、論文とか、本とかを読む時間が
ひとより短かったのかなーと(今大学の生活に一時戻ってみて)感じています。
まあ、会社に入ってからも時間はあったので、そうしなかった自分が悪いのですが、
今はちょうどそれを取り戻すチャンスだと思うことにしました。
ということで、前から気になっていた本を購入してみた。
「Classics in total synthesis」
有機化学の世界では有名な本で(多分)、
今年のMITの大学院のある授業では教科書として使われています。
これまでの有機化学の全合成で特にその時代において素晴らしい偉業と言われた
エレガントな仕事を選んでまとめた本です。
たとえば、R. B. Woodward教授とか、伝説みたいな人がやったすごい仕事が
解説付きで紹介されています。
多分論文だけを読むよりも楽しいのだと思います。
何がすごいとか、そういったことが分かりやすく書いてあります。
ほかにもペニシリンの合成とか、プロスタグランジンの合成とか。
さて、これを読み始めて思ったのですが、これ自体がそのまま仕事の役に立つとは思いませんが、
やっぱり化学で飯を食っている以上は、こういった歴史的な偉業みたいなのは
知っておかねばいかんなあ、と感じています。
多分学生さん向けの本だと思われる。
なので、今頃読み始めるのもどうかと思いますが、
Better late than never.
ということで。
そうそう。内容もすごいのですが、書いた人もすごい。
著者は2人で、一人は超有名な先生。
で、驚きがもう一人がその先生の研究室の大学院生です。
どっちがどれだけ書いたのかは分かりませんが学業もやりながらそんなの書いちゃうなんて。
ちなみに彼は独立して研究室をもってから4年でtenureをとってしまったスーパーマン。
いやいや、すごいとしか言いようがありません。
私はアメリカのアマゾンで買いました。$80くらい。
日本のアマゾンでも売っていて8000円から9000円くらい。
決して安くはありませんが、それなりの価値はあると思います。
本と言えば、最近プロセス化学に関する本で、
私の上司も著者の一人に入っているのが発売されているのに気がついた。
早速注文。これは日本で買うよりも30%くらい安く買えました。
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